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≪宅建試験対策≫委任の受任者の義務・委任者の義務

「債権」は、宅建の本試験では、毎年4問出題されます

範囲も広く、論点もたくさんあるのでいくら対策しても見たことない問題が出ることもあります。

難易度も幅が広いので、勉強してもなかなか点数が伸びにくい分野です。

しかし、丸々捨ててしまったら他の教科での挽回が厳しくなるので、易しい問題は得点できるように勉強しておきましょう。

 

委任の受任者の義務・委任者の義務

 

 

委任」とは、法律行為などの事務処理を他人に依頼(委託)する契約のことをいいます。

 

委任した者を「委任者」、委任を受けた者を「受任者」といいます。

 

委任は法律行為を他人に依頼するわけなので、当事者の信頼関係を保つ必要があります。

 

当事者の信頼関係の中で、委任者と受任者の義務の履行は誠実に行われる必要があります。

 


受任者が負う義務は、下記の5つです。

 

  • 善管注意義務
  • 自己服務義務
  • 報告義務
  • 受け取った金銭等の引渡し義務
  • 受任者の金銭消費責任

 

委任者が負う義務は、下記の3つです。

 

  • 報酬支払義務
  • 費用前払い義務
  • 費用等の償還請求

 

ひとつずつ詳しく解説します。

 

受任者の義務

 

委任を受けた者を「受任者」といいます。

 

受任者は無償で義務を負うのが原則です

 

善管注意義務

 

民法第644条
受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

 

善良な管理者の注意をもって処理しなければならない義務のことを、「善管注意義務」といいます。

 

善管注意義務」とは、その人の職業や社会的地位等から考えて客観的に要求される程度の注意義務のことです。

 

受任者は無償・有償問わず善管注意義務が課されています

 

自己の財産に対するのと同一の義務

 

善管注意義務より注意義務の程度が軽減されたものを「自己の財産に対するのと同一の義務

 

委任契約と似ている言葉に、寄託契約があります。

 

寄託契約」とは、当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによってその効力を生じる契約のことをいいます。

 

無償の寄託契約の受託者は、注意義務が軽減され自己の財産に対するのと同一の義務でよいとされています。

 

細かいですが、このように名前が似ていて少し違う点は宅建試験に問われやすいです。

 

一覧表にまとめましたので、頭の片隅に入れておいてください。

 

契約の種類 無償or有償 義務
寄託契約 無償 自己の財産に対するのと同一の義務
有償 善管注意義務
委任契約 無償 善管注意義務
有償 善管注意義務

 

自己服務義務

 

受任者は、委任者に対する信頼に応えなければならないため、自ら委任による事務を処理する義務を負うので、第三者に義務を処理させることは出来ません。

 

受任者は復委任は原則できない。ということです。

 

しかし、例外的に復委任を認める場合があります。

 

例外的に復委任が認められる場合

委任者の許諾がある場合

やむを得ない事由があるとき

 

これらの場合は、受任者はその選任と監督についてのみ委任者に責任を負えばよいことになります。

 

これは任意代理の復代理と一緒です。

 

報告義務

 

民法第645条
受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

 

受任者は、委任事務の処理中は「委任者からの請求があるとき」に委任事務の処理状況を報告する義務を負います。

 

委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければなりません。

 

ここでいう遅滞なくとは、委任者からの請求がなくてもという意味です。

 

報告義務

委任事務の処理中→委任者の請求があれば報告

委任が終了後→遅滞なく(委任者の報告がなくても自ら報告)

 

細かすぎる論点なので、「報告の時期で違うんだ」程度を覚えておくくらいで大丈夫です。

 

受け取った金銭等の引き渡し義務

 

民法第646条
1項 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。

2項 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。

 


考えたら当然で、不動産売却の依頼を受けた受任者が不動産売却代金を委任者に引き渡さなかったり、不動産所有権を移転しなかったりすれば横取りになってしまいます。

 

この義務は、宅建試験に問われることは少ないので「こんな義務もあった」程度に覚えていただければ大丈夫です。

 

受任者の金銭消費の責任

 

民法第647条
受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。

 

この義務も、宅建試験にはあまり問われません。

 

 


 

宅建試験で覚えておくべき、委任契約の受任者の義務は「善管注意義務」と「自己服務義務」と「報告義務」です。

 

なのでこの3つの義務は内容をしっかり覚えておいてください。

 

しかしそのほかの「受け取った金銭等の引き渡し義務」や「受任者の金銭消費の責任」は、こんな義務もあるんだ程度で結構です。

 

宅建試験は範囲が膨大なので、覚えなくていいものを捨てる!ことを意識して勉強することが大事です。

 

委任者の義務

 

委任を依頼する者を「委任者」といいます。

 

委任契約は原則として無償・片務契約なので、委任者に義務が生じることはありません。

 

しかし、報酬支払特約を定めることは有効です。

 

特約を約定すれば有償・双務契約になるので、委任者にも義務が生じます。

 

報酬支払義務

 

委任契約は特約が定められていなければ、報酬支払い義務は負いません。

 

報酬支払特約が定められたとしても、報酬の支払いは原則として後払いとなります。

 

当事者の死亡や委任者が委任契約を解除するなど、受任者の責めに帰することができない事由によって履行が途中で終了したときは、受任者はすでに履行した割合に応じて報酬を請求することができます。

 

費用の前払請求

 

民法第649条
委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。

 

委任事務を処理するにつき、旅費や通信費などの必要な費用がかかる場合は、受任者は請求があれば、委任者はその費用を前払いしなければなりません。

 

費用等の償還請求

 

受任者が委任事務の処理に必要な費用を支出したときは、委任者はその費用に支払い日以降の利息を合わせて受任者に償還しなければなりません。

 

原則として無償で受任者に委任事務をさせているわけですから、委任事務の処理に必要な費用が出て、受任者が立て替えている場合は、委任者がその費用を償還することは当然ですね。

 

当然なので宅建試験に出題されることは少ないですが、こんな義務もある、ということと、問われるとしたら論点はその利息は「支払い日以降」ということです。