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宅建試験の権利関係法令(民法)の絶対要点~追認と法定追認~法定追認事項は一覧で覚えよう!

制限行為能力者にて、取消権や追認という言葉が出てきました。

★取消権についてはこちら

「追認(ついにん)」という言葉は、日常生活で使うことはあまりないのでよくわからない方もいらっしゃるかもしれません。

宅建試験の権利関係法令(民法)を勉強するに当たっては、頻出ワードですのでしっかり理解しておきましょう。

 

 

     追認とは

追認とは、文字通り、追って認めること。

契約等の法律行為をした後に、過去にさかのぼって認めることを言います。

追認された契約等の法律行為は、確定的に有効になります。

 

民法上、「追認」は下記の3つに大別されます。

  1. 取り消しえる行為の追認
  2. 無効行為の追認
  3. 無権代理の追認

 

取り消しえる行為の追認

制限行為能力者(未成年・成年被後見人被保佐人・被補助人)が保護人(親権者or未成年後見人等の法定代理人成年後見人・保佐人・補助人)の許可(同意)を必要なのにもかかわらず、許可(同意)を得ないで行った行為のことです。

制限行為能力者と不動産売買等の契約をした相手方は、この契約を保護人から取り消されるかもしれない不安定な状態になります。

なので、制限行為能力者と契約をした相手方はその契約を「取り消しますか?」「追認しますか?」と催告することができます。

★この取消や同意については「*権利関係法令(民法)*①~制限行為能力者~」をご覧ください

この場合、取消権を持っている人(取消権者)が追認権を行使することができます。(=追認権者)

なので、制限行為能力者の保護者は、取消権者であり追認権者でもあるということです。

未成年・被保佐人・被補助人が保護者の同意を得ないでした行為や成年被後見人が行った行為(日常品の購入を除く)は、未成年が婚姻等で成年になったり、精神上の障害の回復なので行為能力者になれば、自らした行為を追認することができます。

 

あと詐欺強迫で契約との法律行為を行った場合も取消することも追認することができます。

★詐欺や強迫による法律行為についてはこちら

 

上記でわかるように「取消ししえる行為の追認」は、「取消権の放棄」と意味します。

 

無効行為の追認

あまり重要ポイントではないので、簡単に説明します。

民法第119条

「無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし当事者がその行為の無効であることを知って追認したときは、新たな行為をしたものとみなす」

無効な行為は、追認したからといって有効に転じる訳ではないから、当事者が無効であることを承知のうえで追認したときは、その時から将来に向かって効力を生ずる新しい行為をしたものと扱うということ。

 

※その時から将来に向かって効力を生じることを将来効といいます。

将来効に対して、さかのぼって効力を生じることを遡及効といいます。

 

無権代理の追認

代理権のない者が、本人の代理人と称して代理行為を行うことを無権代理といいます。

無権代理に対して、代理権がある場合を有権代理といいます。

民法第116条

追認は、別段の意志表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

 

つまり本人が無権代理行為を追認することにより、最初から代理権があるものと扱い、当初から有効な行為とされることです。

無権代理の追認」は、事後の代理権授与という意味を持ちます。

★詳しくは無権代理についてをどうぞ

     法定追認とは

「法定追認」とは取り消すことのできる行為について、一定の事実があったときは、追認の意志表示があったのと同一の効果を持たせることをいいます。

法定追認となる事実は6種類規定されていて、これらは異議をとどめたときを除き、社会通念上、追認の意思ありと判断されます。

 

法定追認となる6種の事実は下記のとおりです。

  1. 全部または一部の履行
  2. 履行の請求
  3. 更改(こうかい)
  4. 担保の供与
  5. 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部または一部の譲渡
  6. 強制執行

 

ひとつずつ詳しく説明します。

1.全部または一部の履行

たとえば家の売買でいうと、

家の買主は「売買代金の全部または一部を支払うこと」

家の売主は「ゲームを買主に引き渡すこと」が履行という行為にあたります。

未成年のAちゃんが家を買うという売買契約をした場合、

「Aちゃんが成人してからその代金を支払う」or「Aちゃんの保護人(親権者か法定代理人)がその家の代金を支払う」場合は追認したものとみなされます。

追認は取消権を持つ人しかできません。

なので、未成年のAちゃんが自分がした家を買うという売買契約について追認する場合は婚姻や20歳になるなどする必要があります。

逆にいえば、Aちゃんが未成年のままで自分でこの家の代金を払ったとしても、「制限行為能力者がした法律行為」=「取り消すことのできる法律行為」になるので法定追認は成立しません。

 

2.履行の請求

これは①の行為を相手に促すことです。

つまり「家の代金を払ってくれ」「家を引き渡してくれ」と相手に請求することが履行の請求です。

先ほどのAちゃんが未成年のままで自分でこの家の代金を払い、Aちゃんの保護人(親権者か法定代理人)が売主に対して「代金を支払ったから家を引き渡して!」と請求したら履行の請求をした→法定追認をした!となります。

 

3.更改(こうかい)

更改とは、宅建試験で問われることはないので無視してもいいですが

同一性を有しない新たな債務を成立させるとともに、旧債務を消滅させる契約のことです。

簡単にいえば、契約内容を切り替えることです。

 

4.担保の供与

担保とは、債務者がお金を払えないときに備えて受け取る保障のことです。

一言で言うと、「借金のカタ」ですね。

先ほどの未成年Aちゃんが家を買った場合ですと、

Aちゃんの保護人(親権者や法定代理人)がその家を買うために、土地などを担保することです。

抵当権設定などが、その行為にあたります。

★抵当権についてはこちら

 

5.取り消すことができる行為によって取得した権利の全部または一部の譲渡

一言でいうと、取消のできる行為で取得したものを誰かに渡すことです。

「取消のできる行為で取得したものを誰かに渡す」という行為は、制限行為能力者が単独でした場合は、取り消すことができる行為なので、「取消のできる行為で取得したものを誰かに渡す」という行為をすることができるのは、婚姻か20歳になる等によって成人になったAちゃんかAちゃんの保護人(親権者か法定代理人)です。

先ほどの未成年Aちゃんが家を買う契約をした場合ですと、

Aちゃんサイド(Aちゃんと保護人)は、家を引き渡してもらう権利を有しています。

この家を引き渡してもらう権利を第三者にあげると法定追認になるということです。

 

5.強制執行

強制執行」の内容については、宅建試験の民法の範囲外なので強制執行についてはちゃんと覚える必要はないと思います。

簡単にいうと、裁判所の力を使って強引に相手に履行させることです。

先ほどの、家を買う契約をした買主未成年のAちゃんが婚姻や20歳になった状態orAちゃんの保護人が、この家の売主に対して強制執行をかけると、法定追認したことになります。

 

法定追認となる6種の事実を説明しました。

簡単に言うと、行為能力者が行う「ちゃんと契約する気がある」と行動からわかる場合です。

一応、視覚的に覚えれるように一覧表を作りましたので役立ててください!

 

 

1.全部または一部の履行 ・債務者として履行する
・債務者として金銭などを受領する
2.履行の施行 ・売買代金等を請求する
3.更改 ・債務内容を変更する
4.担保の供与 ・土地に抵当権を設定する
5.取り消すことができる行為に
よって取得した権利の
全部または一部の譲渡
・目的物や債券を第三者に譲渡する
6.強制執行 ・相手方の財産に債権者として施行する